師匠、ブエノスディアス
師匠の居ない六本木のイルミネーションはちょっと寂しい。
私からのささやかなクリスマスプレゼントです。
このチャレンジに1,000円寄付します!
ごめさん 2011-12-24 14:16:18
ムチョグラシアス!(有り難うございます。)クリスマスイブの最高のプレゼント、頂きました!バーモス!(さあ行こう!)
☆ジャストギビング山田達也のチャレンジ応援ページ:http://justgiving.jp/c/799☆
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【ボリビア】ウユニ〜トゥピサの旅
2011年12月24日(土)
走行距離:234キロ
出発時間:8:45
到着時間:15:30
天候:晴れのち曇りのり雨
気温:12℃ー18℃
塚田ご夫妻と朝陽を望む。
素晴らしい縁に巡り合えるのは旅の醍醐味。
またいつかお会い出来ることを願って!
出発の支度をしているとホテルが突然、停電になる。
オスカルが、
「申し訳ない、停電になってしまったので水道が使えなくて洗車が出来ない」
仕方ないので、みんなと別れた後、ウユニに町中へ行き、洗車屋を探す。
最初はガソリンスタンドで水道を借りるもホースもなく、さらにチョロチョロレベルしか水圧がない。
場所によっては2センチほど堆積している塩の塊を取り除くまでに日が暮れてしまう。
町外れに洗車屋を見つけ、高圧ホースを借りて自分で洗車。
15ボリビアーノ(170円)を支払ってウユニの町を後にします。
ボリビアの難関はさらに続き、今日の目的地トゥピサまで道が悪い。
出来るだけペースを上げて進んでいきたいがダート路がたまにガレて(石がごろごろ)いたり、時折、深い砂があるので慎重に進まねばならない。
前を走るトラックに追いついた。
激しい土誇りを舞い上げているので早めに抜き去りたい。
私の存在をわかってか左に寄って右側を開けてくれる。
そこを無難に通過し、ドライバーに挨拶の手を上げる。
その後も暫くダート路を走り続ける。
ウォッシュボードが酷くなってきたため、路面の良い場所を選んで走る。
比較的、道の両端は凹凸が少ない。
ただあまり寄ると今度は左右から浸食している砂漠にハンドルを取られかねない。
と、その時、意に反して砂地にバイクがはまる!
行きたい方向へいけない!
なんとか挙動を抑えたいがどんどんハンドルがとられる。
ついに道を外れ、右側の砂漠地帯へバイクが飛び出した!
埋まりそうな砂地と、硬いブッシュが次々とやって来る。
バサバサ!!ゴンゴン!!
大きな衝撃がバイクと身体を襲う。
何とか転倒を免れようと必死にバイクをコントロールする!
時速70キロくらいでコースアウトしたので結構な勢いがついている。
モンゴルの経験を思い出し足を出さないように頑張るも、一瞬ステップから外れた足が路面の何かに当たったようで傷みが走る!
スピードがだいぶ落ちたところでハンドルをとられ、こらえきれず転倒!!
エンジンが掛かったままのバイクは虚しく後輪が宙を回転しつづけている。
くー、やってしまった。。
エンジンを切り、バイクを確認すると、損傷はなさそうで大丈夫だが起こすのは大変だ。
遠くから車の音がする。
先ほど私が抜いていったトラックだ。
手を振ると、運転手が降りてきてくれて、バイクを起こすのを手伝ってくれた。
私の身体に怪我がないか心配もしれくれる。
僅かな小銭のお礼を渡し、再スタート。
バイクのチェックをしながら走行すると異変に気が付く。
ハンドルが切れなくなっている。
正確には、ハンドルが直進方向で固着気味になっていて、スムーズに舵が効かない状態だ。
センター付近にガクっと深いくぼみがある感じで、ヘッドパイプベアリングがへたってきた時の症状と同じになっている。
実は、塩湖を走っている時にその兆候が少し出ていたのだが、当該ベアリングはラパスのディーラーで交換したばかりのはずなので洗車すれば直るだろうと思っていた。
しかし結果は逆で、洗車後、そして、この転倒後、走っているとその症状はどんどん酷くなって行く。
塩がベアリングを浸食したのだろうか。
とりあえず転倒の原因が判ったのは私的にはスッキリした。
しかしこれはとっても、走りにくくて危険だ。
またいつこの影響で転倒するかわからない。
早めに何処かの町で修理をしなければ・・。
そんな不安に苛まれている中、ウシ、死んでるし。
深い砂が行く手を阻む。
これはまだいい方。
川渡りは、もうええって。
乾季には川が存在しないから橋など作らないのでしょう。
標高も2000m台に下がったと思えば、一気に4000mまで駆け上がる。
稀にやって来る対向車に気を使う。
奇景、絶景が織りなすが、バイクの調子がよくないため全く楽しめない。
南米のグランドキャニオンと呼ばれる場所が点在。
気が付くと手のひらにマメが出来て来た。
正常に動くバイクの素晴らしさに改めて気が付く。
手に力を入れずとも、バイクを寝かせればハンドルは行きたい方向へ自然に曲がっていくんだもんね。
しかし、この悪路をトラブルを抱えたバイクでいくことになろうとは。
オスカル曰く、4時間で行けるよ、のトゥピサまで6時間近くかかってしまった。
町に着いたはいいが宿情報が不足している。
地元の方に聞くと親切にバイクで行ける道を教えてくれた。
車で先導してくれる人もいて、町一番のホテルを教えてくれた。
HOTEL MITURUという所を訪ねると、トイレ、シャワー共同で60ボリビアーノ(670円)/1泊、部屋付きなら110ボリ(1240円)で朝食付き、ガレージ付き。
町一番のホテルでもインターネットはダメだった。
荷物をおいた後、ホテルスタッフにバイク屋を教えてもらう。
なんとか、ベアリングの清掃とグリスアップを自分で行うと思ったが手持ちの工具では不可能だった。
教えてもらったバイク屋へ行くとシャッターが降りて閉まっている。
シャッターを叩くと、屋根の上から「休みだよ、誰もいないよ」という男性が顔を覗かせた。
そういえば、町の多くの店はシャッターが下りている。
そうか、今日はクリスマスイヴだからもう休みなのかな。
町の中心にいた二人乗りのバイクに私の希望を伝えると、よし、ついて来い!と先導してくれる。
皆、優しくて、めちゃめちゃ有り難い。
結局、向かったのはさっきの閉まっていたバイク屋。
次に向かったのは野天の修理工場。
バイクをいじっていたおっちゃんに私のバイクの症状を告げると、もう夕方だし今日やるのは厳しいなあ・・と。
確かに今日はクリスマスイヴだから、誰でも早く家に帰りたいよな。
そして完全の野天でやっているから暗くなったら整備が滞る。
おっちゃんは私がこれからアルゼンチンに行く事を知ると、あー、大丈夫だよ、
道が完全に舗装されているから、このまま、行ける、行ける、って。
おっちゃんが整備していたバイクは小型のものばかりだったから私のようなバイクをいじるのは嫌だったかも。
結局何もしないまま、ホテルに戻り転倒で歪んだパニアケースを修理する。
明日はアルゼンチン入りだ。
早めに出発してなんとか中堅都市のサルタまで行きたい。
そこでバイクのメンテナンスが出来ればと思う。
夕食のためにホテルの向かいの店に入る。
誰もいない食堂だ。
ピザしか出来ないといわれたのでそれを注文。
小さなクリスマスツリーが飾られた店で、独り、ぱさぱさの美味しくないピザを食べる。
こんなクリスマスイヴを迎えることをイメージしていた。
確かに寂しい。
救いはこの店の店主が好きなのか、チェ・ゲバラの写真が壁に無数に飾ってあったこと。
彼の故郷のアルゼンチンはもう隣町だ。
大志を為すため、彼が遂行した南米バイクの旅の後半は孤独だった。